Canon スピードライト比較まとめ 600EX-RT,430EX II,320EX他

キヤノンから発売されているスピードライトクリップオンタイプのストロボ)の比較をまとめました。キヤノンにはガイドナンバー60というハイパワーなものから超小型で補助光レベルのものまで5機種がラインナップされていますが、このエントリーではそれぞれどんな特徴があるのかを語ってみたいと思います。

昨今のカメラは高感度性能が優れているため、少々暗い程度であればストロボを使わなくても十分に美しい写真が撮れるようになってきましたが、ストロボの役割は暗い場所をただ明るくすることではなく、フォトグラファー自身が光と影を創造し、能動的にコントロールできることこそが真骨頂ですよね。定常光だけの撮影から一歩進んで、写真表現の幅を広げようとするフォトグラファーにぜひ使って頂きたい機材です。

目次

600EX-RT

600EX-RTはキヤノンのラインナップの最上位に位置するフラッグシップモデルです。焦点距離20-200mmまでカバーするガイドナンバー(以下GN)60の大光量や、上90゚左右180゚に加えて下にも7゚可動する発光部、光の指向性にとらわれない電波通信によるワイヤレスコントロール、ハードな撮影にも対応する防塵防滴処理、スタジオ撮影で重宝する外部電源対応など、フラッグシップにふさわしい機能がたくさん盛り込まれています。そのかわり下位機種に比べて大きく重いという欠点がありますが、ストロボ機材においては「大が小を兼ねる」が大原則ですので、この機種を買っておけば先に挙げた欠点以外で不満に感じる部分は少ないでしょう。

ちなみに、大型のアンブレラやソフトボックスなどの照明機材を使って本格的なストロボライティングをしたい人は、モノブロックやジェネレータータイプのストロボを使った方が余裕があって良いですが、600EX-RTでも400Wsクラスの大型ストロボと同じぐらいの光量があり、代替できるシチュエーションも多いため、携帯性の良いクリップオンを選択するのも全然アリだと思います。なお、アンブレラ撮影においてストロボを立てるタイプのアンブレラホルダーを使った場合でも、下に7゚動かせるので照射面を傘の中心に向けることができます。こういった細かい部分からも本格的なライティングでの使用を視野入れて開発されたことが伺えます。

430EX II

430EX IIは性能に対して価格が安いのでコストパフォーマンスが高いストロボですね。クリップオンストロボのような小型ストロボの使用を想定した撮影では、GN60~58のフラッグシップ級ストロボを使っていてもフル発光で使うことはほとんど無いので、大抵の場合はGN43の光量で十分だったりします。バウンスも上90゚左180゚右90゚まで動きますし、600EX-RTに比べてサイズが小さく重量も軽いので取り回しも軽快。これでこの価格はお買い得ですね。ウィークポイントはストロボ本体にワイヤレスマスター機能が無い点で、430EX II複数台だけで多灯ライティングをするためには、ST-E2等のトランスミッター(発信器)を使うか、マスター機能付きのカメラを使う必要があります(※マスター機能を搭載しているのは7D Mark II、70Dのみで、フルサイズ機には軒並みついてません)。この辺りもきちんと勘案した上でニーズに合えば最高の選択ではないでしょうか。

320EX

320EXにはキヤノンのストロボラインナップの中で唯一、動画用のLEDライトとリモートレリーズ機能が搭載されています。特にリモートレリーズ機能はユニークで、ストロボをカメラに向けて側面のリモートレリーズボタンを押してから約2秒後に発光&撮影するという機能になります。これを使うと、レリーズから発光までの合間にスピードライトを好きな位置に移動することができるので、ちょっとした物撮りにすごく便利ですね。カメラは三脚に固定して320EXは手持ちにし、色々な角度からリモートレリーズで撮影してベストな光の当たり具合を探るといった作業がサクサクできます。※リモートレリーズを使うにはリモートコントローラーRC-6に対応し、かつワイヤレスマスター機能のあるカメラ(ST-E2装着カメラでも当然可)が必要です。

ちなみに、430EX IIとの比較ではガイドナンバーで負けますが、バウンスは同じで上90゚左180゚右90゚まで可動するので、GN32で光量的に問題なければさらに安い320EXを選ぶのも良い決断です。なお、320EX以下の機種は調光補正がストロボ本体ではできず、カメラ側の操作のみになりますのでチャチャっと変更したいときにちょっと面倒です。

270EX II

270EX IIは本体背面にON/OFFとスレーブ設定のスイッチしかないことからも分かる通り、特別な機能はありません。光量も少ないですし、バウンスも上90゚のみ、調光補正もカメラ側でしか操作できないといった制約がありますので、作品撮りでメインとして使う機種ではないですが、カメラの内蔵ストロボよりはハイパワーですし、天井バウンスもできるので、内蔵ストロボを多様する人が「大仰なものは不要だけど内蔵ストロボよりもう少し性能の良いものを」というようなニーズにピッタリだと思います。サイズも270EX IIからグッと小さくなるので、何かあった時のお守り代わりにカメラバッグに入れておけますね。ちなみに1GNあたりの価格が一番安くコストパフォーマンスが高いという良点もあります。

90EX

90EXはミラーレスカメラのEOS Mシリーズとの組み合わせをメインに登場したストロボで、ガイドナンバーが13や9.4であるkissシリーズの内蔵ストロボよりも少ないGN9なので、あくまでも補助光的な使い方が主になるので、光量を期待して購入するものではありません。もっと言えば、バウンスもできませんし、チャージも遅いので、純粋に外付けのストロボとして評価すればダメダメな気がしますが、ところがドッコイこの90EXにはワイヤレスマスター機能が搭載されているので、上にあげた上位機種を相手にトランスミッター代わりにオフカメラの多灯ライティングをすることができます。すべての操作をカメラ側のメニューから行うという不便さはありますが、この値段で多灯ライティングのマスターになれるという機能は侮れません。

キヤノン スピードライト スペック比較表

600EX-RT 430EX II 320EX 270EX II 90EX
価格 (2015.1) ¥47,380 ¥24,800 ¥18,450 ¥12,553 ¥7,490
CP (1GN価格) ¥790 ¥577 ¥577 ¥465 ¥832
ガイドナンバー 60 43 32 27 9
照射角 14-200mm 14-105mm EF:24-50mm
EF-S:15-32mm
EF:28mm
EF-S:18mm
EF:24mm
EF-S:15mm
バウンス 上 90゚
下 7゚
左/右 180゚
上 90゚
左 180゚
右 90゚
上 90゚
E-TTL II
E-TTL
TTL
外部調光オート
マニュアル発光
マルチ発光
ブラケット
ハイスピードシンクロ
調光補正 本体/カメラ
両方から操作可能
カメラ側で操作
マニュアル調光範囲 1/1 - 1/128 1/1 - 1/64
発光間隔 約0.1-5.5秒 約3秒 約0.1-2.3秒 約0.1-3.9秒 約0.1-5.5秒
発光回数 約100-700回 約200-1400回 約180-1000回 約100-680回 約100以上
ワイヤレス機能
マスター
ワイヤレス機能
スレーブ
ワイヤレス機能
電波通信
防塵防滴
外部電源
リモートレリーズ
動画用LEDライト
寸法 (mm) 79.7x142.9
x125.4
72x122
x101
70x115
x78.4
65.8x65.2
x77
44.2x52
x65
重量 (電池除く) 425g 320g 275g 155g 50g
 

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