FUJIFILM X100S レビュー

Canon EOS-1D X+EF50mm F1.2L USM 1/160 F13 200

DSC-RX1の購入を機に、X100Sへの執着心は消えると思っていましたが、全然消えません。このままモヤモヤしているのは性に合わないので入手いたしました。早速開封して色々とチェックしたので、その感想を語ってみたいと思います。

X100Sのデザイン

カメラの原型を想起させる造形です。このクラシックカメラ然としたフォルムはライカM3を彷彿とさせますが、ボディ両サイドのアシンメトリーな処理と、少し濁ったようなシルバーの色味が、優雅さの漂うライカとは異なった無骨な印象を与えています。しかし、この無骨さはキライではありません。むしろ好きなぐらいです。

X100Sのハンドリング

ホールド性は全然よくないです。グリップの隆起はホールド性に殆ど寄与していませんし、右手親指の引っ掛けどころもありません。ボディの型はX100からそのままキャリーオーバーしたようで、欠点もそのまま引き継いだようです。ここはもう少し頑張って、X-Pro1やX-E1のようにサムレスト的な突起を設けて、そこにAF・AE-LボタンとQボタンを設置して欲しかったですね。というか、自然と親指のかかる背面右上の一等地にインジケーターランプだけをポツンと配置するのはナンセンスです。このデザイン的な汚点は早く払拭すべきです。

X100Sの操作性

もはや言わずもがなですが、レンズに配された絞りリング、軍艦部のシャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルなど、高品質な金属パーツからなるアナログな操作系を駆使する露出操作はそれだけで豊かなクオリアがあります。アナログゆえに電源OFFでも露出が変更できる点も合理的です。それに心地良いトルク感やクリック感があいまって、官能的な撮影体験を提供してくれます。

難をいえば、このカメラのレンズは鏡筒の全長が短いぶん絞りリングとピントリングの幅が狭く、少し操作がしづらいですね。絞りリングにはタブを設けて操作性の向上に努めていますが、それでもやっぱりやりづらいです。ただ、これはカメラ本体の厚みを抑えるためなので我慢できる範囲です。

なお、既存のXシリーズ共通の問題だったAFエリア変更ボタンの位置はユーザの要望を反映して右側のセレクターボタンの上キーに変更になりました。あとは動画の録画開始専用ボタンの新設が望まれますね。せっかくX100SからフルHDの60p動画が撮影できるようになったので、一発で録画が開始できるボタンがほしいです。

X100Sのファインダー

ご存知の通りX100SにはOVF(光学ファインダー)とEVF(電子ファインダー)をレバー操作で切り替えることができるハイブリッドビューファインダーが搭載されています。OVFはファインダー倍率約0.5倍、視野率約90%のブライトフレーム方式で、EVFは0.48型、視野率約100%の約236万ドット液晶です。どちらもスッキリとクリアで見やすいです。

ただ、EVFによるMF時のエリア拡大表示には少し難があります。低光量下時に顕著ですが、まるでインターレース方式で撮影した映像のように走査線がチラチラしてるように見える時があり、ピントピークを捉えるのに難儀します。明るい屋外だとまた違うのかもしれませんが、同じ環境でもX-E1にこのチラチラ感はないので、有機ELパネルと普通の液晶との差なのかもしれません。

また、レバー操作以外でOVFとEVFがカチャカチャ勝手に切り替わるのも気になります。例えばEVFモード時にファインダーから眼を離すと、アイセンサーが感知してLCD(背面液晶)表示に切り替わりますが、それと同時にファインダー内も「チャッ」という動作音と共にOVFに切り替わります。そして、再度ファインダーに接眼すると「チャッ」とEVFに戻る。つまりEVFモードの時にファインダーから眼を離したりつけたりする度にOVFとEVFがカチャカチャ勝手に切り替わってしまうんです。これがなんとも不快で、集中力が削がれるような気分にさせられますし、部材の無駄な消耗が進んでしまいそうな不安も感じさせます。推察するにこれは消費電力を少しでも抑えるための配慮なのだと思いますが、余計なお世話だと感じました。

さらに、LCDでのメニュー操作時も妙な動きをします。X100Sの設定メニューには「撮影メニュー」と「セットアップ」という2つのカテゴリーがありますが、セットアップのメニューに遷移するとなぜかファインダーがEVFに切り替わります(前述の通り、ファインダーは基本OVF状態で待機するので撮影メニューの操作時はOVFのままです)。これにどういう意図があるのかさっぱりわかりませんし、そもそも自分のコントロールを無視して機械が勝手にカチャカチャと音を立てて動くのは不愉快です。次の機種ではぜひ改善していただきたいです。

X100SのAF

AFのレスポンスは良好です。速やかに合焦し、精度も申し分ありません。コンティニュアスAFは試していないのですが、私はこのカメラで動体撮影をする気があまりないので、コンティニュアスAFへの言及は他のレビュアーさんに譲ります。

X100SのMF

マニュアルフォーカスも好印象です。例えば、AFでザックリとピントをあわせてからエリアを拡大してMF操作をしたい場合、X-E1ではAF・AE-LボタンでAF > コマンドダイヤルでエリア拡大 > ピントリングでMF > シャッター全押し、という4工程を4箇所の操作を駆使して行う必要がありますが、X100Sには「MFフォーカスチェック」という設定項目が追加されており、これをONにしてMモードでピントリングを回すと自動的にエリアが拡大されます。これによってコマンドレバーの操作が不要になるので、親指をあっちこっちに動かさなくてよくなりました。これは地味ですが嬉しい進化です。(※ちなみに以前アップしたDSC-RX-1とX100Sを比較したエントリーでは勘違いをしていました)

X100Sのシャッター

X100Sはレンズシャッターなので、シミュレートされた電子音をOFFにするとシャッター音はほぼ無音にできます。また振動も極めて少ないです。この感覚はシャッターフィーリングに刺激を求める方々には物足りないでしょうが、私はとても好きです。周の人たちに迷惑をかけず、静かに、確実に撮影することができます。ちなみに、シャッタースピードは絞り値によって可変で、F2~F2.8は1/1000秒、F4~F5.6は1/2000秒、F8以上は1/4000秒です。開放付近で1/1000秒は心許無い印象ですが、絞り約3段分のNDフィルターが内蔵されていますので、光量が多い場所でもある程度は絞り開放で撮影することが可能です。

X100Sの画質

「絞り開放ではソフト、絞り込むとシャープ、まるでオールドレンズのような味わいが・・・云々」と評判のフジノン 35mm F2 レンズとX-Trans CMOS IIセンサーの組み合わせで一体どんな素晴らしい描写が得られるのか?これについては、まだちゃんと試してないので後日改めてエントリーする予定です。

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