Canon EOS-1DX レビュー ~50万円も納得の超高性能カメラ~

EOS-1DXを導入した2012年8月以来、撮影の大半をこのカメラで行ってきましたが、現場で写真を撮るたび、家に帰ってパソコンで画像を開くたびに、その素晴らしいパフォーマンスに喜びを感じています。そんな1DXとは一体どんなカメラなのか?この辺りで一度レビューを書いてみたいと思います。

1DXのデザイン

外観はEOS-1Dの血統を引き継ぐ堂々とした佇まいで、所有欲を十二分に満たしてくれます。エッジィな面構成でスマートだった1D Mark IVと比較すると丸く太ってしまった印象ですが、無駄に大きいわけではなく、優れた機能を高密度に押し固めた合金の塊を手にしているような充実感を覚えました。

1DXのカメラとの一体感

肉厚なグリップはホールド性が高く、視野率約100%・倍率約0.76倍の光学ファインダーは大きくクリアです。その手でカメラを握り締め、ファインダーを覗いた時に得られるカメラとの一体感は確実に1D Mark IVより上で、ファインダーに写る世界への没入度が高く、集中力が研ぎ澄まされていくようです。

1DXのシャッター

小気味よく軽快だった1D Mark IVのそれとは別種の官能性を秘めています。シャッターストロークは極めて浅く、レスポンスも超高速。押した瞬間に凄まじい瞬発力で高速パンチを繰り出すようなキレ味があります。この感覚は極めて野生的で、撮影意欲が掻き立てらるかのような心地良いテンションの高まりを感じさせます。撮影者を次なるショットへと誘惑する挑発的な感触です。

1DXの製品クオリティー

各パーツの品質やビルドクオリティーの高さはいわずもがなで、手触りから高品質・高耐久性を実感でき、造りに不安を感じることは一切ありません。液晶画面は高精細で美しく、バッテリーも非常にタフです。今回、サブ電子ダイヤルの回転検知に非接触型の静電容量センサーが導入されましたが、これの回し心地が新鮮で、初めて触った時に「おっ!」と気分が高揚しました。非接触ゆえの耐久性向上も実感できて嬉しい限りです。こういう細かい部分も常に品質を向上させていく開発者の姿勢は尊敬に値します。

1DXの操作性

各種の操作ボタンやダイヤルの配置・操作感も上等です。カスタマイズ可能範囲は多岐に渡っています。例えば私の場合、通常の撮影ではSETボタン+メイン電子ダイヤルはISO感度のダイレクトコントロールを割り当てていますが、拡大ライブビューでMF撮影を手持ちで行う際などは、拡大・縮小を割り当てて左手を持ち変えることなく操作が完結できるようしています。このように、各種ボタンには様々な機能をアサインすることが可能で、自分好みのカメラに仕立て上げることが可能です。

1DXのAF・AE

私はワンショットAF、Avモード、ISOオート、AWBで撮影することが多いです。なぜなら「EOS iSA システム」なる新機軸を導入した高速かつ正確なAEとAF、常用51200のISO感度、自然な色味を再現するAWBなどのオートメーションテクノロジーが優秀だからです。これらのテクノロジーはピント調整や露出設定の負荷から撮影者を開放し、多くのシャッターチャンスを生み出してくれます。ちなみに、AIサーボは生後9カ月の娘の動きを追う程度しか使っておりませんし、約12コマ/秒の連射も遊びで数回使っただけなので、その辺りの評価は他のレビュアーさんに譲ります。

1DXの画質

肝心の画質ですが、1DXに搭載された約1810万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーが描写する画は極めて美しいです。18メガピクセルという有効画素数はエントリー機と変わりませんし、ニコンのD800E、フジのX-Pro1、ペンタックスのK-5IIsなど、昨今流行りのローパスフィルターレスの潮流とも反したスペックですが、優れた受光・集光効率がもたらすピクセル単位の解像力の鮮明さ、階調再現性の豊富さ、高感度耐性の高さなどの恩恵は絶大で、高精細で美しくリアリティのある写真が撮影できます。

ちなみに誤解を避けるために補足すると、他のカメラと比較して相対的に飛びぬけて高画質という訳ではありません。低感度状況(明るい屋外など)の静物撮影が主で画質だけを求めるなら、もっと安価なカメラでも十分だと思います。例えば、条件次第では5D Mark IIと大差ありませんし、条件次第では負けることもあります。重要なのは5D Mark IIと同水準の美しい高画質を保ったまま、あらゆる条件下で高速・高精度に作動するAF・AE、約12コマ/秒の連射、常用ISO感度51200その他モロモロの高機能を実現しているのがとてつもなく凄い、ということです。

総論

このカメラには50万円以上の高価なプライスタグが付いていますが、その性能の高さからくる絶対的な信頼感と、撮影者をワクワクさせるような高揚感は他では得難く、手にして撮影に臨めば価格相応であると納得させられ、一度その味を占めてしまうと離れられなくなる。そんな魅惑的なカメラが「Canon EOS-1DX」です。

その他のキャノン関連記事